この記事はこんな人に向けて書いています
- 中古住宅を購入してリノベーションを検討している30代会社員
- 「リノベーション費用はいくらかかるのか」「予算オーバーしないか」と不安に感じている
- 失敗しない業者選びのポイントを知り、理想のマイホームを手に入れたい
こんにちは、一級建築士のmashiです。最近、中古住宅を買って自分好みにリノベーションする「中古+リノベ」という選択をする方が本当に増えましたよね。新築より安く、しかも注文住宅のようにこだわれるのは大きな魅力です。
ただ、一級建築士として現場に立っていると、正直に言って胸が痛くなるような失敗例を山ほど見てきました。「解体してみたらシロアリだらけで、追加費用が300万円かかった」「見積もりが安かった業者に頼んだら、仕上がりが素人レベルだった」など、後悔してもしきれないケースです。
中古住宅のリノベーションには、新築にはない特有の「落とし穴」があります。費用相場のリアルを知り、住宅ローンとリフォームローンの一体型借入をうまく活用して資金計画を立てること。そして何より、あなたと相性の良い信頼できる業者を見つけること。これがすべてです。
この記事では、業界の人間だからこそ言える「中古住宅リノベーションのリアルな費用相場」と、「絶対に失敗しない業者選びのポイント」をぶっちゃけます。これを読めば、予算オーバーに怯えることなく、理想の住まいづくりを進められるはずです。

1. 中古住宅リノベーションの費用相場:どこまでやるかで金額は激変する

「リノベーションっていくらかかるの?」とよく聞かれますが、これは「どこまでやるか」で天と地ほど変わります。まずは、ざっくりとした相場感を掴んでおきましょう。
1-1. フルリノベーション(スケルトンリフォーム)の場合
建物の骨組みだけを残して、内装も設備も間取りも全部やり直す「フルリノベーション」。新築そっくりになるアレです。費用の目安はこんな感じです。
- マンションの場合:1平米あたり15万円〜20万円(70平米なら約1,000万円〜1,400万円)
- 戸建ての場合:1平米あたり20万円〜25万円(100平米なら約2,000万円〜2,500万円)
戸建ての方が高いのは、外壁や屋根のやり直し、耐震補強などが乗っかってくるからです。特に築30年超えの物件だと、見えない部分がボロボロになっていて、想定外の出費がかさむことが本当によくあります。
1-2. 部分リノベーションの場合
「水回りだけ新しくしたい」「リビングだけ広くしたい」といった部分的なリノベーションなら、費用はぐっと抑えられます。
- 水回り4点(キッチン・お風呂・トイレ・洗面所)の一新:約150万円〜300万円
- リビングの拡張(壁をぶち抜くなど):約50万円〜150万円
- 壁紙・床材の全面張り替え:約100万円〜200万円
ただ、部分リノベーションには注意点もあります。新しくしたキッチンはピカピカなのに、隣の廊下は古いまま……という「新旧のギャップ」が気になって、結局後から追加工事を頼むお施主さんも少なくありません。
【一級建築士の現場裏話】「とりあえず水回りだけ」の落とし穴
実は「水回りだけリフォーム」を希望された方の約3割が、工事が始まってから「やっぱりあっちも直したい」と追加発注されます。しかし、職人さんが一度現場を離れてから再手配すると、出張費などが二重にかかり、最初からまとめて依頼するより割高になってしまいます。迷っている箇所があるなら、最初から見積もりに入れておくのが鉄則です。
2. 要注意!見積もり以外にかかる「隠れた費用」
リノベーションで一番怖いのは、「見積もり通りの金額で終わると思っていたのに、後からどんどん追加費用を請求されて資金がショートする」という事態です。これ、本当に多いんです。以下の「隠れた費用」は、最初から予算に組み込んでおいてください。
2-1. 解体してみて初めてわかる「想定外の修繕費」
中古住宅、特に古い戸建ては、壁や床を剥がしてみるまで何が潜んでいるかわかりません。「シロアリに柱を食われていた」「雨漏りで木材が腐っていた」なんてことは日常茶飯事です。
こういった構造に関わる致命的な欠陥を見つけたら、見て見ぬふりをして工事を進めるわけにはいきません。修繕のために数十万円、ひどい時は数百万円が飛んでいきます。一級建築士として強く言いたいのは、総予算の10%〜15%は「何があっても使わない予備費」として絶対に確保しておいてほしいということです。
2-2. 仮住まい費用・引っ越し費用
フルリノベーションだと、工事中の2〜3ヶ月間は今の家に住めません。つまり、仮住まいの家賃、敷金・礼金、そして往復2回分の引っ越し費用がかかります。これが見積もりに入っていないことを忘れている方が意外と多く、後から「えっ、引っ越し代だけでこんなにかかるの?」と青ざめることになります。
3. 失敗しないリノベーション業者の選び方:比較表で徹底解説

はっきり言います。リノベーションが成功するかどうかは、業者選びで8割決まります。依頼先は大きく分けて「リノベーション専門会社」「工務店」「大手ハウスメーカー」の3つ。それぞれの特徴をまとめました。
| 業者タイプ | デザイン性・提案力 | 施工の柔軟性 | 費用感 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|---|
| リノベーション専門会社 | ◎ 非常に高い | 〇 比較的柔軟 | △ やや高め | デザインや間取りに強いこだわりがある人 |
| 工務店 | △ 会社による | ◎ 非常に柔軟 | 〇 比較的安い | コストを抑えつつ、確かな施工技術を求める人 |
| 大手ハウスメーカー | 〇 標準的 | △ 制約が多い | × 高い | ブランドの安心感や長期保証を重視する人 |
3-1. 複数社への相見積もりは必須
業者を選ぶ時は、面倒でも必ず2〜3社から相見積もりを取ってください。ただ、金額の安さだけで飛びつくのは危険です。「〇〇工事一式」みたいに、何にいくらかかるのかごまかしている見積もりを出してくる業者は、後から追加請求してくる可能性大です。
3-2. 担当者との相性とコミュニケーション能力
リノベーションは数ヶ月がかりのプロジェクトです。担当者と何度も打ち合わせをすることになります。「こちらの意図をちゃんと汲み取ってくれるか」「専門用語で煙に巻こうとしないか」「レスポンスは早いか」。このあたりに少しでも違和感を感じたら、その業者はやめておいた方が無難です。
【プロだけが知る】見積もりの「一式」に隠された罠
他社より50万円安い見積もりを出してきた業者。よく見ると「コンセント移設工事 一式」「廃材処分費 一式」と書かれていました。実はこの「一式」、数量が明記されていないため、工事途中で「一式の範囲を超えたので追加料金です」と言われるトラブルの温床になります。優良な業者は「〇〇工事 〇箇所 単価〇円」と詳細に記載します。
4. 一級建築士が教える!中古物件選びの必須チェックリスト
リノベーションの成功は、実は「物件選び」の段階から始まっています。リノベに向かない物件を買ってしまうと、希望の間取りができなかったり、とんでもない改修費用がかかったりします。
内見に行く時は、以下のポイントを必ずチェックしてください。
- 建物の構造(マンションの場合):壁式構造か、ラーメン構造か(壁式構造だと、壁を壊せないので間取り変更がほぼできません)
- 水回りの移動制限:パイプスペース(PS)の位置や床下の空間(水回りの大幅な移動ができない場合があります)
- 耐震基準:1981年(昭和56年)6月以降の新耐震基準を満たしているか
- 管理規約(マンションの場合):フローリングへの変更禁止など、リノベーションに関する独自のルールがないか
- 建物の傾き・雨漏りの痕跡(戸建ての場合):基礎のひび割れや、天井・壁のシミがないか
正直、素人の方がこれらを完璧に見極めるのは難しいです。少しでも不安なら、購入前に私たちのような専門家による「ホームインスペクション(住宅診断)」を利用するのも一つの手です。相場は5万円〜10万円程度ですが、購入後の数百万円のトラブルを防げる保険と考えれば安いものです。
5. 中古住宅リノベーションのよくある質問(FAQ)
Q. リノベーション費用は住宅ローンに組み込めますか?
A. はい、可能です。中古住宅の購入費用とリノベーション費用をまとめて借り入れできる「一体型ローン」を取り扱っている金融機関が多くあります。別々に組むよりも金利が低く、審査の手間も省けるためおすすめです。ただし、物件購入前にリノベーションの概算見積もりが必要になる点に注意してください。
Q. リノベーションで利用できる補助金や助成金はありますか?
A. はい、国や自治体の補助金制度を活用できる場合があります。特に、断熱改修などの省エネリフォームや、バリアフリー改修、耐震補強工事に対しては手厚い補助金が用意されていることが多いです。年度によって制度が異なるため、リノベーション業者や自治体の窓口に事前に確認しましょう。
6. 最後に:中古住宅リノベーションを成功させるために
中古住宅のリノベーションは、新築にはない「自分だけのこだわりの空間」を、比較的リーズナブルに実現できる素晴らしい選択肢です。
成功させるためのポイントは、実はシンプルです。
- 相場を把握し、総予算の10〜15%は「使わない予備費」として死守する
- 見積もりの安さだけでなく、担当者の誠実さを含めて業者を選ぶ
- 希望のリノベができる物件かどうか、購入前にしっかり見極める
この3つさえ守れば、大きな失敗は防げます。リノベーションは決めることが多くて大変ですが、完成した時の感動はひとしおです。ぜひこの記事を参考に、後悔のない家づくりを楽しんでくださいね。


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