ChatGPTで竣工検査の是正事項を整理する方法|指摘・根拠・担当・完了確認を一元管理

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ChatGPTで竣工検査の是正事項を整理する方法|指摘・根拠・担当・完了確認を一元管理

竣工検査が近づくと、現場には写真、検査者のメモ、チャット、メール、手帳の記録が同時に集まります。「廊下を直す」「扉を確認する」だけでは、後から見た人が場所、根拠、担当、完了条件を判断できません。問題は指摘の数そのものより、事実と判断の履歴が分離されていないことです。

ChatGPTに写真やメモを渡して一覧にすることはできます。しかし、AIの出力を施工不良の認定、法令適合の結論、是正方法の指示、完了検査の合否として扱ってはいけません。国土交通省はデジタル技術を活用した建築基準法に基づく完了検査等の遠隔実施について情報を公開していますが、対象となる検査体制や運用は案件と関係者の確認が前提です。国土交通省の関連資料へ戻り、契約図書・発注者基準・監理者の指示を優先してください。

目次

ChatGPTで竣工検査の是正事項を整理するなら、最初に何を決めるべきか

最初に決めるのはプロンプトではなく、記録の単位です。1行を1指摘にし、同じ行に複数の部位や別の担当を混ぜないようにします。写真番号が同じでも対象が異なるなら行を分けます。反対に、同じ指摘を複数の写真で確認しているときは、主写真と補助写真を区別します。こうすると、AIは文章を整えるだけになり、責任の所在を勝手に作りにくくなります。

判断台帳の使い方:表の各行を、事実(写真・位置・観察内容)、未確認(図面・仕様・完了条件でまだ照合していない点)、質問先(設計者・監理者・現場責任者など)、根拠(図面、仕様書、記録)に分けて記録します。下表では、この4列を実務の役割ごとに具体化します。

項目 記録する内容 AIの役割 最終確認者
事実 写真番号、位置、見えた状態、撮影日 表記統一と欠落の指摘 撮影者・施工管理者
根拠 図面、仕様書、承認図、打合せ記録 記載の有無を整理 設計者・監理者・責任者
対応 担当、依頼日、期限、保留理由 未設定欄を質問化 現場責任者
完了 完了写真、試験記録、確認日、確認者 再確認待ちを抽出 指定された確認者

AIへ渡す前に、写真と観察事実を分ける3つの準備

写真番号と位置を固定する

写真を単独で渡すのではなく、C-012|3階|東側廊下|EV前|撮影日2026-08-17のように、現場で再現できる識別情報を付けます。室名が確定していない場合は、通り芯、建具番号、階段やエレベーターからの距離など、別の人が探せる情報を残します。AIは画像の印象を説明できても、撮影地点や撮影時点を確定できません。

観察事実と評価語を分離する

「施工不良」「危険」「雑」といった評価は、最初の入力から外します。「巾木上端に約10mmの白い部分が見える」「扉枠左上に線状の擦り傷がある」「非常灯の点灯は未確認」のように、見えたこと、測ったこと、まだ確認できていないことを分けます。原因や補修方法を推測すると、AIが作った仮説が原記録に混入します。

根拠資料が見つからない場合は空欄を埋めない

図面番号や仕様書の箇所が不明なら、「根拠資料:要確認」と明記します。空欄をAIに推定させるより、誰に何を尋ねるかが分かる状態の方が安全です。公共建築工事などでは技術基準が参照されますが、個別案件の契約図書や発注者基準が優先される場合があります。国土交通省の官庁営繕の技術基準を一般論の根拠に使うだけでなく、案件の原資料に戻ってください。

ChatGPTで是正管理表のたたき台を作る実務手順

ステップ1:1指摘1行の入力を作る

まず表計算ソフトで管理番号を振ります。たとえば、写真番号、位置、観察事実、根拠資料の記載状況、現時点の連絡先、完了確認の状態を入力します。「内装を直す」のような抽象的な一文ではなく、写真と場所が結びつく粒度にします。複数の不具合を一つの行に押し込むと、担当と期限が一つに決まらず、後で分解する手間が増えます。

管理番号:FIN-012
写真番号:C-012
位置:3階 東側廊下 EV前
観察事実:巾木上端に白い未塗装部分が約10mm見える
根拠資料:仕上表・塗装仕様の該当箇所は要確認
担当:未設定
期限:未設定
完了確認:未確認

ステップ2:機密情報と個人情報を除く

施主名、住所、部屋番号、顔、名札、車両番号、協力会社の個人情報、未公表の工程や金額は、必要性を確認して匿名化します。社内の生成AI利用規程、発注者との秘密保持の取り決め、使用サービスのデータ設定を確認し、入力可否は責任者が決めます。現場写真をそのままアップロードすることが常に許されるわけではありません。

ステップ3:AIには「補完禁止」の表形式化を依頼する

次のように、判定ではなく整理を依頼します。出力後は必ず原記録と突き合わせ、AIが追加した原因や法令名がないかを確認します。

あなたは竣工検査メモを表へ整える事務補助です。
施工の適否、是正方法、法令適合、完了検査の可否は判断しません。
以下の記録だけを根拠に、1指摘1行で整理してください。
列:管理番号/写真番号/位置/観察事実/根拠資料の記載状況/要確認事項/担当(未確定なら要確認)/期限(記録がなければ未設定)/完了確認に必要な記録。
写真や記録にない原因、数値、法令、施工方法を推測しないでください。
「施工不良」「合格」「完了」などの判定語は追加しないでください。
不明点は「要確認」とし、確認先への質問文にしてください。

ステップ4:人が根拠・担当・期限を確定する

AIの表をそのまま協力会社へ送るのではなく、施工管理者が原図、仕様書、承認図、打合せ記録を確認します。そのうえで、誰が対応するか、いつまでか、どの記録があれば確認できるかを決めます。安全に関わる事項や検査条件に関わる事項は、通常の傷補修と同じ優先度で処理せず、関係する有資格者、監理者、検査者、発注者へ確認します。

「対応済み」と「確認済み」を分けると、竣工直前の抜けが減る

現場で特に起きやすいのは、作業者から完了連絡を受けた段階で表を閉じてしまうことです。完了連絡は対応の事実であって、責任者による完了確認とは異なります。表には少なくとも「記録化前」「根拠確認待ち」「対応依頼済み」「再確認待ち」「確認済み」を設けます。

状態 意味 次の確認
記録化前 口頭・写真・メールにだけ存在 番号、位置、事実を1行化
根拠確認待ち 図面・仕様・合意との照合が未完了 資料と確認先を特定
対応依頼済み 担当と期限を伝達済み 依頼日と返答予定を記録
再確認待ち 対応連絡はあるが確認者が未確認 現地、写真、試験記録を確認
確認済み 根拠と現場を責任者が照合済み 日付、確認者、証跡を保存

ChatGPTには、確認者が空欄の行、期限が過ぎた行、根拠資料が「要確認」のままの行を抽出させる使い方が向いています。逆に、AIが「写真を見る限り問題ない」と書いても、それを完了の証拠にしません。部位によっては目視だけでなく、動作確認、測定、試験記録、監理者の確認が必要になるためです。

現場で誰に何を聞くかを、AIの回答ではなく質問票にする

不明点は、AIに答えを出させるのではなく、確認先が分かる質問へ変換します。「この傷は補修でよいか」ではなく、「仕上表のどの仕様を根拠に、補修方法と確認基準を誰が決めるか」と記録します。「検査に通るか」ではなく、「今回の検査条件と必要な提出資料を、検査者または責任者へ確認したか」とします。この書き換えによって、もっともらしい推測を現場の指示と取り違えにくくなります。

現場で最後に残るのは、大きな不具合だけではありません。「写真はあるが位置が分からない」「直したと聞いたが確認者がいない」「指摘の根拠がチャットにしかない」という小さな情報欠落です。私は、AIに文章を整えさせる前に、写真番号・位置・根拠・確認者の4点を確認します。4点が揃わない項目は、急いで閉じずに再確認待ちへ戻す方が、引渡し後の説明をしやすくなります。

ChatGPTに任せてよい作業と、任せてはいけない判断

任せてよいのは、表記の統一、メモの列分け、重複候補の抽出、未入力欄の一覧化、確認質問の下書き、会議用の要約です。入力した情報の範囲を超えないよう、「補完しない」「不明は不明と書く」「根拠資料のURLや番号を捏造しない」と指定します。

任せてはいけないのは、施工の適否、法令への適合、契約上の責任、是正方法、安全性、完了検査への合否、引渡し可否の断定です。これらは現場の状態、契約図書、検査体制、関係者の権限を踏まえて人が確認します。AIが自信ありげに答えても、原資料と責任者へ戻る順番は変わりません。

設計監理の打合せ記録やRFIも同じ考え方で整理できます。施工図、質疑、変更、是正、再確認を一続きで管理したい場合は、関連する実務ハブで確認の順番を整理すると、記事ごとの手順を現場の流れへつなげやすくなります。

図解:是正事項を完了確認までつなぐ

竣工検査の是正事項を完了確認までつなぐ5ステップ
竣工検査の是正事項を完了確認までつなぐ5ステップ
ChatGPT、現場担当、責任者の竣工検査是正における役割分担
ChatGPT、現場担当、責任者の竣工検査是正における役割分担

よくある質問:竣工検査の写真と是正管理をChatGPTで扱うとき

ChatGPTに竣工検査の写真をそのまま渡してもよいですか?

社内ルール、発注者との取り決め、サービスのデータ設定を確認してください。住所、顔、名札、車両番号、未公表情報を含む写真には特に注意し、可能なら匿名化した観察事実のテキストから始めます。

AIが「是正が必要」と出した項目を、そのまま依頼できますか?

そのまま依頼しません。AIの出力は確認事項を整理するたたき台です。現場、図面、仕様書、打合せ記録を照合し、責任者が内容、担当、期限を確定してから依頼します。

指摘が多いとき、AIに優先順位を決めさせられますか?

期限未設定や根拠未確認などの抽出、優先順位案の整理はできます。しかし、安全、工程、検査条件、発注者との合意を踏まえた最終順位は現場責任者が決めます。

完了写真だけで是正完了にできますか?

完了写真は確認材料の一つです。部位や指摘内容に応じて、現地目視、動作確認、試験記録、監理者確認などが必要になるため、案件ごとの完了基準と確認者を明確にしてください。

まとめ:AIで整理し、人が根拠と完了を確認する

ChatGPTを竣工検査に使うときの要点は、AIに結論を出させることではありません。写真、位置、観察事実、根拠資料、担当、期限、完了確認を分け、未確認を未確認のまま管理表に残すことです。AIは表の整形と抜けの発見に限定し、施工の適否、是正方法、法令・契約・安全性、検査合否は人が原資料と現場へ戻って確認します。

この順番を守れば、AIは「言った・言わない」を増やすのではなく、誰が、何を、どの根拠で、いつ確認するかを見えるようにする補助になります。

参考資料

  1. 国土交通省「デジタル技術を活用した建築基準法に基づく完了検査等の遠隔実施について」
  2. 国土交通省「官庁営繕の技術基準」

本記事は竣工検査の指摘事項を記録・整理する一般的な手順です。個別工事の施工の適否、契約・法令解釈、検査の可否を判断・保証するものではありません。契約図書、発注者基準、監理者・責任者の指示を確認してください。

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この記事を書いた人

mashiのアバター mashi 一級建築士・宅建士・賃貸不動産経営管理士|施工管理・設計監理・発注者側PMの実務経験を持つ、建築・不動産の実務家

一級建築士・宅建士・賃貸不動産経営管理士。施工管理、設計監理、発注者側のプロジェクトマネジメントに携わってきました。建築・不動産の実務で必要になる資料の見方、確認の順番、関係者への質問を、経験と一次情報をもとに解説します。

コンストラクションマネジメント、新規投資物件の取得検討、保有不動産の処分検討にも携わってきました。個別案件は条件によって異なるため、契約・設計・投資の判断では、原資料と専門家への確認を優先してください。編集方針:https://mashi0-1.com/editorial-policy/

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